なかなか買い手がつかない空き家の管理は大変ですが、お手入れをするのとしないのとでは劣化の進み具合が全然違います。少しでも老朽化を遅らせて良い状態を維持したいなら、定期的なお手入れが必要不可欠です。
自分で行う場合の管理方法についてですが、湿気が建物の老朽化を加速させるのでこまめに窓を開けて換気したり除湿機や除湿剤を用いて湿気を溜め込まないようにする、住宅用洗剤やカビ取り剤や防虫剤などを用いながらきちんと掃除をしてカビやダニの発生を防ぐ、家の周りにはなるべく物を置かず火災の原因になり得るものは全て取り除くなどがあります。
空き家管理は周辺の住人の協力も必要になってきますので、挨拶回りなども積極的に行うべきです。
参考:空き家の買取業者なら空き家パス | 空き家の管理は具体的に何をすればいい?
空き家を持っているだけでも必要な管理費用
空き家は持っていてるだけなら何も費用がかからないと思っていませんか?実は空き家は保有しているだけでもかなりの維持管理費用が発生します。具体的には固定資産税・保険料・水道光熱費などで、場所によっては都市計画税やマンションなどの場合は管理費なども必要になります。
固定資産税の税率は土地と建物の評価額に対して1.4%で、一般的な戸建て住宅の場合は年9万円前後が相場です。水道光熱費は自治体によって異なりますが、年間3万円程度が必要です。保険は火事になった場合や、古くなって朽ちた壁や屋根などで他人にけがをさせてしまうような事態を防ぐために必要で、火災保険は月1万円前後、地震保険は3000円程度が目安です。
これだけでも168000円が管理費費用として必要になるため、空き家を所有することになったらどのように整理するか早めに検討することが大切です。
家を売却するメリットは管理コストの減少や火事のリスクの消滅
親などから相続で家を譲り受けたが、生活で使用しているところは他にあるため、空き家になっているケースが増えています。何にも使用していないのであれば売却した方が間違いなくいいです。余計な管理コストを払い続ける必要がなくなるメリットが挙げられます。維持費や税金など管理コストが結構かかるので、使用していないのに払い続けるのは勿体ないです。
また、火事が生じるリスクの消滅もメリットになります。空き家は火事が生じてしまうことが少なくありません。自分だけが困るだけならいいのですが、周りの家に延焼して迷惑をかけてしまう可能性があるので、火事を発生させないために売却することは賢明な判断です。現在使用していないのであれば、今後も使用することはないです。
空き家売却で優遇税制が受けられます
空き家が日本全国にたくさんありますが、空き家売却で優遇税制が受けられることを知っていますか。通常は相続した空き家を売却して利益があれば、譲渡所得税が課税されます。しかし、空き家問題が深刻と言うこともあって、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に一定の要件を満たした空き家を売却すると、譲渡所得から3,000万円が控除されます。
対象の空き家は、昭和56年3月31日よりも前に建てられた建物、相続開始直前まで被相続人が居住用として使用していた、相続開始直前まで被相続人が一人で住んでいた、一戸建てが対象です。ただし、要介護認定などを受けており施設に入っている場合は条件付きで税金が優遇されます。